今週の説教要旨

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2016年1月17日                                    降誕節第4主日礼拝

「 平和ではなく分裂をもたらす主 」 

榎本 栄次 牧師

ルカによる福音書   12章49-59節

 終末(神の時)から今(自分の置かれているところ)を見る。「究極的なことと現実」「神を信じるということは、人間を信じること」です。信仰は、逃避や目くらましではありません。主が共にいてくださるから、目を覚まして現実を見、そこに立つのです。
 さて、主イエスは、従って来る弟子たちに対して「わたしが地上に平和をもたらすために来たと思うのか。そうではない。言っておくが、むしろ分裂だ」(51)と言われます。この言葉をどう聞けばいいのでしょうか。「はっきり見えるようになり、よく理解でき、みんなと仲良くなれる」ことが主の御心ではないのでしょうか。
ここでわたしたちは何を基準においているでしょう。自分の幸せが基準でそこから天を仰いでいるとよく分かる。しかしそれでは本当に自分を理解できているとは言えません。終末・神の時から自分を見るのです。その時に、自分も世界もはっきりと理解できます。自分の方に正解があって、未来永劫それを保証し、そのために力をつけ権威を持つことが平和であると考えていると見えなくなります。それを保証するための信仰であり、神でなければならないそれが平和であると考える時、自分が神になり、それは偶像です。
 主はそこに剣と火を投ぜられるのです。その時わたしたちは分からな利、分裂が起き対立が生まれます。人間の願望、要求、期待があってそれらを満足させるためにイエスが来られたのではない。逆にあらゆる人間の要求期待、願望、要求を粉砕され、決断と火を投ずるために主が来られたのです。
 わたしたちは見えなくなる。分裂にさらされる。今まで親しかった人、最も頼りにしていた友人、肉親に裏切られる。その見えなくなることで開かれる光があるのです。そうしないと見えない真理があるのです。見えなくなること、理解できなくなること、その時が主の時となる。わたしたちの幸せの延長線上に神の国があるのではなく、神の国のためにわたしたちがどうあるべきかというところに意味があるのです。
 続いて、イエスは、「今の時を見分けなさい」と言われます。今の時は、現実に苦しみ迷い、見えなくなっている闇の時です。そしてそこに救い主が来てくださっている時です。まやかしの宗教は、この時を見ようとせずに虚空に向かって空論を述べ、占いのようなことに迷い込んでいるのです。見てきたようなやたら過激な言葉で脅迫し、現実から目をそらし、金銭を出させる霊感宗教は偽りです。
さらに、「あなたがたは、何が正しいかをどうして判断しないのか」と言います。これは今の現実について、盲目にならないこと。自分の目で何が正しいかをよく見て判断することです。それはできないのではなくできることであり、わたしたちの責任です。子どもでも分かることを見ようとせず、派閥や権威を恐れ自分の責任を回避していませんか。
「あなたを訴える人と一緒に役人のところに行くときには、途中でその人と仲直りするように努めなさい。」(58)その隣人とはこの社会です。自分の宗教心で、そこにいる隣人を裁き、派閥の争いに終始していませんか。それは偶像を神としてこの世界を見ているのです。神の世界から自分や隣人を見ましょう。
そのために主は、あえて「平和ではなく分裂ともたらす」ために来られたのです。それは争うことを奨めているのではなく、御心である「平和を実現する」(マタイ5:9)ためです



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聖書It would be greatly appreciated by the person who makes peace. The reason for the person is that it is called the son of God.-平和をつくる者は幸いです。その人は神の子どもと呼ばれるからです。