今週の説教要旨

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2014年11月30日                               アドベント  待降節 第1主日 

「お言葉どおりに」 

榎本 栄次 牧師

ルカによる福音書1章26-38節

 クリスマス、アドベント(待降節)の期間に入りました。今年も救い主をお待ちする備えの期間を過ごしましょう。洗礼者ヨハネの両親に現れ、高齢の二人に男児出産の預言した天使ガブリエルは、六ヵ月後にガリラヤのナザレという町に住む乙女マリアのところに現れ、「神の子イエスの」の受胎を告知しました。ヨハネの母エリサベトと乙女マリアの共通点は何でしょうか。一人は高齢者で不妊の女性です。他はまだ結婚していない処女マリアです。二人とも生物学的に受胎することは不可能な人です。
天使ガブリエルはマリアに「おめでとう。恵まれた方。主があなたと共におられる。」(28)と告げました。マリアは、この祝福は何のことかと考え込みました。この祝福は、「乙女マリア」という清純なイメージというよりは、「不完全」「無資格」な者を神は選び祝福されたという内容が読み取れます。ですから「なぜ、どうして」という戸惑いが「恐れ」になったのでしょう。とにかくマリアにとっては「おめでとう」と言われるような状況ではない。ガリラヤのナザレは辺境の地であり、「キリストはまさか、ガリラヤからは出ないだろう」(ヨハネ7:11)「ナザレから、なんのよいものが出ようか」(ヨハネ1:46)といわれていたナザレです。そこはユダヤ人から見捨てられた何の由緒も価値もない無視された地でした。そこに住む「はしため」であり、普通のお姉ちゃんです。とても神の子を宿すようなことは考えられません。その上、彼女にはヨセフという婚約者がいます。夫以外の相手との妊娠は、大罪であり、石打ちの刑であり、即離縁を意味します。ですからこの知らせは、彼女にとっては「めでたい」ことではなく、災難以外のなにものでもなかったでしょう。天使のみ告げは、ただ「恐れる」ばかりです。
 天使は言います「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい」(30,31)ルカによる福音書には使徒言行録も含めて、「恐れるな」という言葉が8回出てきます。それは自分の卑小さや無力さを感じている者に対す語りかけであることが多いです。主が共にいてくださるということが彼女には理解できません。婚約者のこと、人々の無理解。そればかりではなく、天使の崇高さに比べ、自分の罪深さ、卑しい女、無資格、それらが恐れです。「どうしてそんなことがありえましょうか」(34)と問わざるを得ません。この問いはイサクの父アブラハムやヨハネの父ザカリヤのそれに通じます。自分の卑小さを知る者として当然の恐れです。
「神にできないことは何一つない」(37)これが恐れるマリアに対する答えです「卑しい女」にすぎないマリアが選ばれ、主が彼女と共にあって恵みを与えるという不思議なことに対する答えです。ルカにおいて、マリアが受胎告知を受け入れる決心をするのにヨセフは登場しません。独立した一人の女性の決意が伝わってきます。
マリアは答えます。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように」(38)。福音には人の思いや常識、事情を超えさせる力があります。マリアの信仰は、聖霊によるものと言えるでしょう。この世の権威や、価値や風評、本人の事情さえも包み超える力が聖霊にはあるのです。「お言葉どおり」とは、それら一切を主にお任せすることです。英語のLet it be は「どうにでもなれ」ではなく、主が共にいてくださるという圧倒的な力に対し、「お任せします」という信頼による告白です。


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2014/11/30 お言葉どおりに

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聖書It would be greatly appreciated by the person who makes peace. The reason for the person is that it is called the son of God.-平和をつくる者は幸いです。その人は神の子どもと呼ばれるからです。