今週の説教要旨

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2014年2月16日

「死後の世界」 

松田 央 牧師

ルカによる福音書 16章19-31節

私たちは自分の死を考えるときに、それをイエス・キリストの死と復活という視点からとらえ直さねばなりません。第一コリント書15章20節では「キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました」と書かれています。初穂とは最初の復活の命を意味しています。イエス・キリストは私たちに先立って、死を経験し、さらに復活しているのです。つまり、私たち自身が復活するために道を開いてくださったのです。そうであるからこそ、私たちは死の関門を突破して、復活の命に到達することができるのです。
 テキストの23節では「宴席でアブラハムとそのすぐそばにいるラザロとが、はるかかなたに見えた」と書かれていますが、これは物理的な距離というよりもむしろ心理的な距離を意味しています。すなわち、金持ちにとってラザロは物理的には近い関係にありながら、心理的次元において「はるかかなた」の存在であり、両者の間には「大きな淵」があったのです。そしてこのような金持ちの心の在り方は死んだ後でも全く変化しなかったのです。言い換えれば、生前における心の在り方によって死後の行き先が決まってくるということになります。
 物質が原子から構成されていることは周知の事実でありますが、原子の内部の大半は空洞部分なのであります。各々の原子は原子核と電子から成り立っていて、電子が原子核の周りを回っています。原子核の直径は電子の軌道の十万分の一にすぎないのです。仮に電子の軌道が地球であるとすれば、原子核の直径は東京タワー程度の大きさになってしまいます。
 犬の唾液には治癒を促進する物質が含まれているといいます。すなわち、犬は好意によってラザロのできものをなめたのです。それはなぜかというと、ラザロは犬に好かれていたからでしょう。ところで長年にわたって水の研究を続けてきた江本まさる勝さんによれば、すべての物質は本来、振動にすぎません。つまり、人間も犬も各々振動して固有の周波数を出しているというのです。そういうわけで私たちの体を含めてあらゆる物質の内部は、隙間だらけの状態であるということになります。たとえでいえば、ギターの共鳴箱のようなものであるといえます。共鳴箱という空間がなければ、音は共鳴しません。そして電子が原子核の周りを回転することによって、原子全体が、原子核と電子の間の空間において振動し、いつも振動の波を発生させているということになります。ラザロは愛の周波数を毎日発生させ、それが犬の周波数に合致していたのでしょう。したがって、言葉は通じなくとも、お互いに心は通い合っていたのです。このようなラザロの心の振動が神にも通じ、生前において神とラザロとの愛の交わりが成立していたに違いありません。それゆえ、ラザロはイエスの愛の掟を実践していたのです。
 金持ちはラザロの存在に気付きましたが、生前の冷酷な仕打ちを詫びていません。それどころかアブラハムに「ラザロをよこして、指先を水に浸し、わたしの舌を冷やさせてください」と頼んでいます。金持ちにとってラザロは相変わらず愛の対象ではなく、自分のために利用する道具にすぎないのです。もしもここで金持ちが生前の行いを心底から悔い改めていれば、アブラハムの対応も異なったものになっていたに違いありません。しかし、生前と同様に金持ちとラザロはお互いに「はるかかなた」の存在であり、両者の間には「大きな淵」がありました。私たちの旅は決して楽なものではありませんが、ラザロのように神を愛するならば、命の光に包まれて信仰の道を歩むことができるでしょう。  

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聖書It would be greatly appreciated by the person who makes peace. The reason for the person is that it is called the son of God.-平和をつくる者は幸いです。その人は神の子どもと呼ばれるからです。